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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(二)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme

Aozora Bunko

お角はいい奉公人であるから、なんとかして引き留めて置きたいと阿母さんもふだんから云っていると、彼女はなんの秘密も知らないように話していた。

自分が世話をした奉公人が評判がいいのは結構であるが、もし津の国屋の内輪にそんな秘密が忍んでいるとすれば、その奉公人を周旋した自分の身の上にどんな係り合いが起らないとも限らないと、文字春はそれがためにまた余計な苦労を増した。併しその後も別に何事もなしに過ぎて、今年ももう師走のはじめになった。底寒い日が幾日もつづいて、時々に大きい霰が降った。

「おい、師匠。もう起きたかえ」

師走の四日の朝、もう五ツ(午前八時)を過ぎたころに、大工の兼吉が文字春の家の格子をあけた。

「あら、棟梁。なんぼあたしだって……。もうこのとおり、朝のお稽古を二人も片付けたんですよ。節季師走じゃありませんか」

「そんなに早起きをしているなら知っているのかえ。津の国屋の一件を……」

「津の国屋の……。どうしたんです。何かあったんですか」と、文字春は長火鉢の上へ首を伸ばした。

「とんでもねえことが出来てしまって、ほんとうに驚いたよ」と、兼吉も火鉢の前に坐って、まず一服すった。