Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
あいつが娘を連れ出すところを見ていたのか」
弱ってはいたが、勇吉は案外はっきりと答えた。
「はい、見ていました。長太郎が刃物でお雪さんをおどかして、無理にどこへか連れて行こうとするのを見ましたから、空手じゃあいけないと思って、すぐに台所から出刃庖丁を持ち出して行きました。そうして溜池のところで追っ付いたんです」
「よし、判った。だが、まだ一つ判らねえことがある。おめえはそれを見つけたら、なぜほかの者に知らせねえ。自分一人で刃物を持ち出して行くというのはおかしいじゃねえか」
勇吉は黙っていた。
「ここが大事のところだ」と、常吉は諭すように云った。「おめえが褒美を貰うか、下手人になるか、二つに一つの大事のところだ、よく落ち着いて返事をしろ」
勇吉はやはり黙っていた。
「じゃあ、おれの方から云うが、おめえは何か長太郎を怨んでいるな。娘を助ける料簡も無論だが、まだ其のほかに、いっそここで長太郎をやっつけてしまおうという料簡がありゃあしなかったか、どうだ。はっきり云え」
「恐れ入りました」と、勇吉は素直に手をついた。
「むむ、そうか」と、常吉はうなずいた。「よく素直に申し立てた。