Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
かれ自身の云うところによれば、ある夜更けに下谷の御成道を通ると、路ばたの町屋の雨戸の隙間からただならぬ光りが洩れているので、不思議に思って覗いてみると、それは古道具屋で、店先にかざってある木彫りの弁天の像から赫灼たる光明を放っていた。いよいよ不思議を感じて帰って来ると、その夜の夢にかの弁財天が小鶴の枕もとにあらわれて、我を祀って信仰すれば、諸人の災厄をはらい、諸人に福運を授けると告げたので、かれは翌朝早々に下谷へ行ってその尊像を買い求めて来たのである。その話が世間に伝わって、それを拝みに来る者がだんだんに殖えて来た。
小鶴はその名を善昌とあらためた。今までは長屋同様の小さい家であったのを建て換えて、一つの弁天堂のように作りあげた。かれは托鉢をやめて、堂守のような形でそこに住んでいたが、参詣者の頼みに因っては一種の祈祷のようなこともした。身の上判断もした。彼女がこうして諸人の信仰や尊敬をうけるようになったのは、弁財天の霊験あらたかなるに因ること勿論で、二、三年前にもこういう実例があった。ある日の午後、独身者の善昌が近所へ用達しに出ると、その留守へやはり近所のお国という女が参詣に来た。