Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
たので、善昌は万事思う壺にはまって内心大喜びでいると、それがお国には面白くない。善昌が金儲けをすれば、きっと覚光のところへ運んで行くだろうと思うと、いよいよ妬けて堪まらないので、本尊の木像をかつぎ出すやら、坊主と手を切れと責めるやら、大騒ぎをやった挙げ句の果てが、更にこんな大騒ぎを仕出かしてしまったんです」
「その弁天様はどうなりました」と、わたしは訊いた。
「善昌の仕置がきまると、弁天堂は取り毀されましたが、始末に困ったのはその木像で、かりにも弁天様と名の付くものをどうすることも出来ない。さりとて引き取る者もないので、とうとう評議の上で川へ流すことになりました。それが流れて行くときに一匹の白い蛇が巻き付いていたという評判で、それは善昌の魂だなどと云い触らす者もありましたが、なに、それはみんな嘘の皮で、むかしの人はややもすると斯ういうことを云い触らす。又すぐにそれを信用する。畢竟それだから善昌の尼などの食いものになったのでしょうね。おや、雨の音がいつの間にか止んだようです」
老人は起って縁側の雨戸をあけると、わたしがこの長い話に聴き惚れているあいだに、雨はとうに晴れたとみえて、小さい庭にはびっくりするような明るい月の光りがさし込んでいた。