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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(二)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme

Aozora Bunko

それは有りそうなことである。二人がおなじ場所で死ななかったのは、男の身分を憚ったからであろう。僧侶の身分で女と心中したと謳われては、自分の死後の恥ばかりでなく、ひいては師の坊にも迷惑をかけ、寺の名前にも疵が付く。破戒の若僧もさすがにそれらを懸念して、ふたりは死に場所を変えたのであろう。こう煎じつめてゆくと、二人が本望通りに死んでしまった以上、ほかに詮議の蔓は残らない筈である。源次が落胆するのも無理はなかった。

「そこで、その坊主には別に書置もなかったらしいか」と、半七は訊いた。

「そんな話は別に聞きませんでした。あとが面倒だと思って、なんにも書いて置かなかったんでしょう」

「そうかも知れねえ。それから妹の方には別に変った話はねえのか」

「妹は先月頃から嫁に行く相談があるんだそうです。馬道の上州屋という質屋の息子がひどく妹の方に惚れ込んでしまって、三百両の支度金でぜひ嫁に貰いたいと、しきりに云い込んで来ているんです。三百両の金もほしいが看板娘を連れて行かれるのも困る。痛し痒しというわけで、親達もまだ迷っているうちに、婿取りの姉の方がこんなことになってしまったから、妹をよそへやるという訳には行きますめえ。