Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
このお丸だって、あんまり利巧な奴じゃありません」
「で、そのお丸はどうしました」と、わたしは訊いた。
「お丸は使いに行くと云って主人の家を出て、与之助のところへ逢いにゆくと、弟が丁度わたくしに引っ張られて番屋へ行ったあとで、与之助もなんだか薄気味が悪いので、店をぬけ出してうろうろしているところへ、お丸がたずねて来たという訳です。お丸もその話を聴いてさすがに不安心になって来たので、与之助をそそのかして何処へか駈け落ちすることになったのですが、こいつよくよく悪い奴で、なんでも中仙道を行く途中、熊谷の宿屋で男の胴巻をひっさらって姿を隠してしまったんです。捨てられた男は一人ぼっちになって信州へ落ちて行くところを、妙義の町でわたくし共に追い付かれて、もう一と足で黒門へ逃げ込むところを運悪く捕まったのですが、当人ももういけないと覚悟したものか、それとも転ぶはずみに我知らず咬んだのか、私が襟首をつかまえた時には、舌を咬み切って口から真っ紅な血を吐いていました。もとの女郎屋へ引き摺って来て、いろいろに手当てをしてやりましたが、もうそれぎりで息を引き取ってしまいましたよ。