Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
七助はまだ十九の若い者であるので、村の若い者たちはそこをいい遊び場所にして、毎晩のように寄りあつまって馬鹿話に夜をふかすばかりか、悪い手慰みなどもするという噂であったが、主人の茂右衛門は別に咎めもしないで捨てて置いた。
事件の起った晩にあつまったのは、佐兵衛、次郎兵衛、弥五郎、六右衛門、甚太郎、権十の六人で、今夜は後の月見というので、何処からか酒や下物を持ち込んで来て、宵から飲んで騒いでいた。
「猪番なんぞはどうでもいい。猪の奴め、この騒ぎにおっ魂消て滅多に出て来るもんじゃあねえ」
こんなことを云って、番人の七助をはじめ、六人の者もさんざんにしゃべって、騒いで、いい心持に酔い倒れてしまった。畑中の一軒家ではあるが、かれらの笑い騒ぐ声が亥の刻頃まで遠くきこえたのを村の者は知っていた。しかしその夜が明けても猪番小屋の戸は明かなかった。いつも早起きの七助が今朝は起きて来ないのを怪しんで、庄屋の家の者が見まわりに来ると、表の戸は閉め切ってあって、戸の隙き間から眼にしみるような煙りが流れ出していた。いよいよおかしく思って戸をあけると、狭い小屋の中から薄黒い煙りが一度にどっと噴き出して来て、一時は眼口もあけられない程であった。