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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(五)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme

Aozora Bunko

「この龍という字は、なかなかしっかり書いてある。仁助とかいう奴が自分で書いたのじゃああるめえ。誰に頼んだのか、知らねえか」

「表の白雲堂ですよ」と、女房が口を出した。

表通りに幸斎という売卜者が小さい店を開いていて、白雲堂の看板をかけている。夜蕎麦売りの仁助はその白雲堂にたのんで、橙に龍の字をかいて貰ったのであると、彼女は説明した。

「白雲堂……。そりゃあどんな奴だ」と、半七はまた訊いた。

今度は庄太が代って説明した。白雲堂の幸斎は五十二三の男で、ここに十年あまりも住んでいる。自分はよくも知らないが、うらないは下手でもないという噂である。幸斎は独り者で、女房子は勿論、親類なども無いらしい。酒を少し飲むが、別に悪い評判もない。近所の者にたのまれて、手紙の代筆などをするが、これも売卜者のような職業としては珍らしいことでもない。要するに白雲堂は世間にありふれた売卜者という以外に、変ったことも無いらしかった。

「そこで、その龍の字に何か引っかかりがあるのですかえ」と、庄太は訊いた。

「むむ。すこし忌なことがある」と、半七は又かんがえていた。「だが、庄太。やっぱり人頼みじゃあいけねえ。