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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(五)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme

Aozora Bunko

半七捕物帳

一

団子坂の菊人形の話につづいて、半七老人は更に「蟹のお角」について語り出した。団子坂で外国人らの馬をぬすんだ一件は、馬丁平吉の召し捕りによってひと先ず落着したが、その関係者の一人たる蟹のお角は早くも姿をくらまして、ゆくえ不明となった。したがって、この物語は前者の姉妹篇とでも云うべきものである。

「蟹のお角という女は、だんだん調べてみると札付きの莫連もので、蟹の彫りものは両腕ばかりでなく、両方の胸にも彫ってあるのです。つまり二匹の蟹の鋏が右と左の乳首を挟んでいるという図で、面白いといえば面白いが、これはなかなかの大仕事です。大体ほりものというものは背中へ彫るのが普通で、胸の方まで彫らないことになっている。背中に彫るのは我慢が出来るが、胸に彫るのは非常に痛いので、大抵の者には我慢が出来ない。大の男でも、胸の方は筋彫りだけで止めてしまうのが随分あります。その痛いのを辛抱して、女のくせに両方の乳のあたりに蟹の彫りものを仕上げたんですから、それを見ただけでも大抵の者はぎょっとする。そこへ付け込んで相手を嚇しにかかるというわけで、こんな莫連おんなは男よりも始末がわるい。