Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
「お乳母さんにそれを話したのかえ……」
「話しました。それでもお乳母さんはまだ疑うような顔をして、首をかしげていました。家の玉ちゃんは識らない大道商人のあとへ付いて行くような筈は無いと云うのです。そう云っても、子供のことですからねえ」
自分の報告を菊園の乳母が信用しないと云って、不平らしく話した。
「あの乳母さん、小粋な人だが、色男でもあるのかね」と、半七は冗談らしく訊いた。
「そんなことは無いでしょう。堅い人ですから……」と、女房は打ち消すように云った。「玉ちゃんが見えなくなったので、御飯も食べないくらいに心配しているのです。あの人はまったく忠義者ですからねえ」
誰に訊いてもお福の評判がいいので、半七はすこし迷った。それにしても玉太郎らしい男の児が太鼓売りと一緒に歩いていたと云うのは、一つの手がかりである。半七はいい加減に挨拶して、菓子屋の店を出た。
十年ほど前から、誰が考え出したか知らないが、江戸には河豚太鼓がはやった。素焼の茶碗のような泥鉢の一方に河豚の皮を張った物で、竹を割った細い撥で叩くと、カンカラというような音がするので、俗にカンカラ太鼓とも云った。