Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
「いえ、別に……」
河豚の中毒と判っては、家探しなどをする筈もない。検視の役人らは早々に立ち去ったのであろう。家主に一応ことわった上で、半七は庄太を先に立てて二階へあがろうとすると、そこには梯子がなかった。ここらの小さい家では梯子段を取り付けてあるのではなく、普通の梯子をかけて昇り降りをするのであるが、その梯子をはずしてあるので、上と下との通路が絶えている。二人はそこらを見まわしたが、どこにも梯子らしい物は見付からなかった。
「おかしいな」と、半七は訊いた。「なんで梯子を引いたのだろう」
「変ですね。なんとかして登りましょう」
庄太は二階の下にある押入れの棚を足がかりにして、柱を伝って登って行った。半七もつづいて登ってゆくと、二階は狭い三畳ひと間で、殆ど物置も同様であったが、それでも唐紙のぼろぼろに破れた一間の押入れが付いていた。隠れ家はこの押入れのほかに無い。半七に眼配せをされて、庄太はその唐紙を明けようとすると、建て付けが悪いので軋んでいる。力任せにこじ明けると、唐紙は溝をはずれてばたりと倒れた。それと同時に、二人は口のうちであっと叫んだ。
押入れの上の棚には、古びた湿っぽい寝道具が押し込んであったが、棚の下には一人の女がころげていた。