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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(五)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme

Aozora Bunko

かれらの顔は少女の帯とおなじような水色になって、一旦はそこに立ちすくんでしまった。

お由はお袖よりも年上の十九歳である。殊にふだんから勝気の女であるので、この場合、さすがにふるえてばかりもいなかった。彼女は小声で主人に注意した。

「見付かると大変です。逃げましょう」

幸い少女は正面を向いていないので、三人はその横顔を見ただけである。抜き足をして駈け抜けたらば、或いは覚られずに逃げおおせることが出来るかも知れない。しかも駈け出しては足音を聴かれる虞れがあるので、お琴はまた二人にささやいて、息の声さえも洩れないように、両袖で口を掩った。

三人は足音を忍ばせて、この杉木立の前を通り抜けようとする時、お袖が最も恐怖を感じていたのかも知れない、すくみ勝の足をひき摺って行くうちに、木の根か石につまずいて、踏み留める間もなしにばったりと倒れたので、お琴もお由もはっとした。もうこうなっては、足音などを偸んではいられない。半分は夢中でお袖をひき起こして、お琴とお由が左右の手をとって、むやみに引き摺りながら駈け出した。山の降り口は石逕になっている。その坂路を転げるように逃げ降りて、寺の本堂前まで帰り着いて、三人はまずほっとした。