Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
「わたしも曾て石橋山組打の図に俳句を書いてくれと頼まれて『真田股野くらがりの芒つかみけり』という句を作ってやったことがありますが、まったく芒のなかの組打ちは難儀でしょうね」と、わたしは云った。
「うっかりすると眼を突かれますからね」と、老人は笑った。「そこで例の種明かしですが、何からお話し申しましょうかね」
「鋤を持って出た男は何者です」
「それは万養寺の寺男で、名は忠兵衛……梅川と道行でもしそうな名前ですが、年は五十ばかりで、なかなか頑丈な奴でした。生まれは上方で、大吉の親父です。こいつも昔は道楽者で、せがれの大吉が小綺麗に生まれたのを幸いに、子どもの時から陰間茶屋へ売りました。江戸の陰間茶屋は天保度の改革で一旦廃止になったのですが、その後も給仕男という名義で営業していました。男娼のことは余談にわたりますから、詳しくは申し上げませんが、なにしろ女と違って、子供時代が売り物ですから、十七八にもなればもうお仕舞いです。男娼の揚がりは馴染の客……多くはお寺さんですが、それに幾らかの元手を出して貰って小商いでも始めるか、寺侍の株でも買ってもらうか、又は小間物や煙草の行商になる。