Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
誰かが掃き出したのではなく、そこに人間が這い込んでいたのではないかと想像された。
半七は湿っぽい畳の上に俯伏して、犬のように嗅ぎまわると、そこには微かに糠の匂いがあった。糠がこぼれているらしいと、半七はひとりでうなずいた。米屋の奴らが、おさんかお種をここへ連れ込んで、押入れの中に監禁して、その泣き声が表へ洩れたのであろう。土間に落ちていた赤い櫛といい、その証拠は明白である。彼は更に家内を見まわったが、ほかにはこれぞという獲物はなかった。そのうちに日はだんだんに暮れて来たので、あかりを持たない半七は思い切ってここを出ると、表はもう暗くなっていた。
谷町の下総屋を目ざして行くと、途中で二人連れの男に逢った。店屋の灯のあかりに透かしてみると、それは彼の為吉と米搗きの藤助であるらしい。この二人が連れ立って湯屋へでも行くのかと見送っていると、不意に自分の袂をひく者がある。見かえると、それは庄太であった。
「親分」と、庄太はささやいた。「為吉と藤助がどこかへ出かけます。尾けて見ましょうか」
「むむ。おれも行こう。悪くすると、為吉を誘い出して殺らすのかも知れねえ」