Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
「主人がなぜ一緒に来ねえのだ」
「主人が一緒に来る筈でしたが、夕方から持病の疝癪の差し込みがおこって、身動きが出来なくなりました。朝早くから出歩いて、冷えたのだろうと云うのです。そこで、主人の代りにわたしが出て来ることになりました。権田原のまん中に大きい榛の木がある。そこへ行けば、相手がお種さんを連れて来ているから、六両の金と引っ換えに、お種さんを受け取って来いと云われたので、為さんを案内して出て来ると、途中でこんな騒ぎが出来したのです」
「それにしても、無じるしの提灯をなぜ持って来た」
「旦那の云うには、こんなことが世間へ知れると、おたがいに迷惑する。下総屋のしるしのない提灯を持って行けと云うので……」
「むむ。まあ、大抵は判った。じゃあ、おれに手伝って、この怪我人を運んで行け」
さっきから手負いのことが気にかかっているので、半七は藤助に指図して、そこに倒れている為吉を扶け起こそうとする時、うしろの枯れ芒ががさがさと響いた。
それが風の音ばかりでないと早くも覚って、半七が屹と見かえる途端に、何者かが又斬ってかかった。油断のない半七はあやうく身をかわして、すぐにその手もとへ飛び込んだ。