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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(五)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme

Aozora Bunko

御承知でもありましょうが、武家が馬術を学ぶのは自分の嗜みにすることで、師範の家は格別、普通の者は馬術がよく出来るからといって立身出世することは出来ません。それですから、ひと通り以上に馬術を稽古するのは、馬に乗ることが好きだという人で、云わば本人の道楽です。神原は三千石の大身で、馬に乗るのが大好きでした。同じ道楽でも、武士としては誠に結構な道楽で、広い屋敷内に馬場をこしらえて毎日乗りまわし、時には方々へ遠乗りに出る。厩には三匹の馬を飼って、二人の馬丁を置いていました。そのなかでも平吉がお気に入りで、遠乗りの時なぞには大抵この平吉がお供をしていました。

いつぞやお話をした『正雪の絵馬』と同じように、道楽が昂じると、とかくに何かの間違いが起こり易いものです。神原という人も決して馬鹿な人物ではなかったんですが、好きなことには眼がくらむ。このごろ異人が日本へ渡って来て、西洋馬に乗り歩くのを見ると、馬も立派であり、馬具のたぐいも珍らしい。といって、その当時にはいくら金を出しても、西洋馬や西洋馬具を手に入れることは出来ない。おれもああいう馬に西洋鞍を置いて一度乗り廻してみたいと、よだれを垂らしながら眺めているのほかはありません。