Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
それにしても、女が往来で兄のかたきを討ったと云うので、その当座は大評判、瓦版の読売にもなったのです。こんにちの号外と同じことで、瓦版はずいぶん売れました。
今もその瓦版の読売が面白そうに呼びながら、助惣の店の前を通りかかると、ひとりの若い男が駈けて来て、引ったくるように一枚の瓦版を買って、往来のまん中に突っ立ったままで、一心不乱に読んでいる。それは年ごろ十八九の小粋な男で、襟のかかった半纏を着ていましたが、こんなことが好きなのか、よっぽど面白いのか、我れを忘れたように一心に読んでいるのです。わたくしも商売柄、こんな事にも眼がつきますから、これには何か仔細がありそうだと思いましたが、別にどうすると云うわけにも行きません。買い物の助惣焼を小風呂敷につつんで店を出ると、そこへ通りかかって、やあ、親分と声をかける者がありました。
見ると、それはこの近所に住んでいる馬秣屋の亭主です。この時代には普通に飼葉屋とか藁屋とか云っていましたが、その飼葉屋の亭主の直七、年は四十ぐらいの面白い男でした。御承知の通り、飼葉屋というのは方々の武家屋敷へ出入りして、馬秣を納めるのが商売です。