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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(五)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme

Aozora Bunko

わたくしは前からこの男を識っているので、二つ三つ世間話なぞをして別れました。それから四谷の方へ行こうと思って、麹町四丁目の辺まで行きかかると、あとから直七が追って来ました。直七には連れがある、それは熱心に瓦版を読んでいた若い男でした。

直七はわたくしを呼びとめて、まことに相済みませんが、そこまでお顔を拝借したいと云うのです。わたくしも連れの男に眼をつけていたところですから、二人に誘われて近所のうなぎ屋の二階へ連れ込まれました。これがこのお話の発端です」

二

飼葉屋の直七の紹介によると、麹町の平河天神前に笹川という魚屋がある。魚屋といっても、仕出し屋を兼ねている相当の店で、若い男はその伜の鶴吉というのである。親父の源兵衛は五年前に世を去って、母のお秋が帳場を切り廻している。鶴吉はことし十九であるが、父のない後は若主人として働いている。お秋は女でこそあれ、なかなかのしっかり者で、亭主の存生当時よりも商売を手広くして、料理番と若い者をあわせて五、六人を使っている。

これだけならば、まことに無事でめでたいのであるが、ここに一つの事件が起こった。笹川には鶴吉の姉にあたるお関という娘があった。