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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(五)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme

Aozora Bunko

宿屋へはいると、ひと足さきへ来て脚絆をぬいでいる男があった。

「やあ、三河町の親分、不思議な所で……」と、男は見かえって声をかけた。

彼は下谷の御成道に店を持っている遠州屋才兵衛という道具屋である。もっぱら茶道具をあきなって、諸屋敷へも出入りしているだけに、人柄も好く、行儀もよかった。

「まったく不思議な御対面だ」と、半七も笑った。「お前さんはこんな所へ何しに来なすった。寒釣りかえ」

「なに、そんな道楽じゃあありません。これでも信心参りで……。五、六人の連れがありましたので、成田へ参詣して来ました」

「それにしても、途中から連れに別れて、ひとりでここへ来なすったのか」

「まあ、そんなわけで。へへへへへ」

才兵衛は何か独りで笑っていた。おなじ二階ではあるが、裏と表と別々の座敷へ通されて、半七らが先ずくつろいで茶を飲んでいると、如才のない才兵衛はすぐに挨拶に来て、おめずらしくはありませんがお茶菓子にと、成田みやげの羊羹などを出した。

「そこで、お前さん方は……」と、才兵衛は声をひくめた。「なにか御用で……」

「まあ、用のような、遊びのような……」と、半七はあいまいに答えた。