Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
んね」
「そこで、長助という奴はどんな話をした」
「ちっとはお負けも付いているかも知れませんが、まあ、こんな事でした」
松吉の報告は前にも云った通りであった。
それを聴き終って、半七はすこし考えた。
「その女隠居はどんな女か知らねえが、観音まいりに出かけたのじゃあ、幾らも金を持っていやあしめえな」
「そうでしょうね。女ひとりで参詣に出たのじゃあ、いくらも巾着銭を持っていやあしますめえ」
「女ひとりと云えば、その隠居は女のくせに、たった一人で左の方へ行ったのは、どういう訳だろう。まさかに景物が欲しかったのでもあるめえが、よっぽど気の強い女とみえるな」
「もちろん大家の隠居だから、景物が欲しかったわけじゃあありますめえ。小屋のなかは暗いのと、怖い怖いで度を失ったのとで、右と左を間違えて、あべこべに歩いて行ったのだろうという噂です。怖い物見たさではいったら、案外に怖いので気が遠くなったのかも知れません」
「そう云ってしまえばそれまでだが……」と、半七はまだ不得心らしく考えていた。「おい、松。無駄骨かも知れねえが、まず取りあえず駿河屋をしらべてくれ」
半七の注文を一々うけたまわって、松吉は早々に出て行ったが、その日の灯ともしごろに帰って来た。