Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
案じるよりは産むが易いとは此の事です」
最後に残ったのは女二人の始末である。それについて、老人は少しく顔をしかめた。
「おさんとお種が銀八に引き摺られて、例の化け物屋敷へ封じ込められたのは、御承知の通りです。もちろん手足をくくって押入れに投げ込んで置いたのですが、今度は二人になったので、その翌日の夕方、ひとりの縄の結び目をほかの一人が噛んで解いて、どうにか斯うにか二人とも自由のからだになって、そこを抜け出しました。時刻を測ると、わたくしが踏ん込んだ少し前のようです。ひと足ちがいで残念でした」
「それにしても無事に逃げたんですね」
「ところが、無事でない。ともかくもそこを抜け出したのですが、夕方ではあり、土地の勝手を知らないので、何処をどう歩いたのか、迷い迷って品川から大森の海岸へ出てしまったのです。もう夜は更けて、眼のまえに暗い大きい海がある。そこらの漁師町へでも行って、なんとか相談すればいいのですが、年の若い娘二人、いろいろのひどい目に逢って、少しは気も変になっていたのでしょう。こんな難儀をする位なら、いっそ死んだ方がましだと云うので、二人は一緒に海に飛び込みました。