Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
この時代にはこんな観世物のあることは半七はかねてから知っていた。
「てめえは猿か。名はなんというのだ」
「源吉と申します」と、十三四の小僧が恐れ入って答えた。
「そっちの幽霊は何者だ」
「岩井三之助と申します」と、幽霊は細い声で答えた。彼は両国の百日芝居の女形であった。
「こんないかさまをしやがって、不埓な奴らだ」と、半七は先ず叱った。「これから俺の訊くことを何でも正直に云え。さもねえと、貴様たちの為にならねえぞ」
「へい」
猿も幽霊も頭をかかえて縮みあがった。半七はそこにころげている捨石に腰をおろした。
「先月の末に、照降町の駿河屋の女隠居がここで頓死した。貴様たちが何か悪い事をしたのだな。質のよくねえ嚇かし方をしたのだろう。隠さずに云え」
「違います。違います」と、二人は声をそろえて云った。
「それじゃあ誰が殺したのだ」
二人は顔を見合わせていた。
「さあ、正直に云え。云わなけりゃあ貴様たちが殺したのだぞ。人を殺して無事に済むと思うか。どいつも一緒に来い」
半七は両手に猿と幽霊をつかんで引っ立てようとすると、源吉も三之助も泣き出した。
「親分、勘弁してください。申し上げます。