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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(五)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme

Aozora Bunko

後の増田に飛びかかったのは、狐らしくもある。まあ、なんにしても獣の仕業らしいと云うことになりました。屯所の方でも、こんな事はなるべく秘密にして置きたかったのでしょうが、人の口に戸は立てられません。殊にこんな噂は猶さら広がり易いもので、忽ち世間の評判になってしまいました。ところが、おかしいことには、今度の髪切りは狐でもなく、猿でもなく、豹の仕業だという噂でした」

髪切りを猿や狐の仕業というのは、昔の人としてさもありそうな事であるが、豹というのは余りに奇抜であった。

「豹の仕業……」とわたしは首をかしげた。「それはどういう訳ですか」

「はは、今の人にはお判りのないことで……」と、半七老人は笑った。「幕府の歩兵には、豹だの、茶袋だのという綽名が付いていました。将棋の駒の歩は歩兵で、つまりは歩兵の意味です。そこで幕府の歩兵を将棋の歩になぞらえて歩といい、それが転じて豹になったのです。歩兵は紺木綿の服を着ていましたが、夏の暑いあいだは茶色の麻を着ていたので、茶袋という名を付けられたわけで……。豹にしても、茶袋にしても、あんまり有難い名前じゃありません。これを見ても、その不人気が思いやられます。