Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
近所の者も留めに出る。いや、もう、大騒ぎだったそうですよ」
「旦那が屋敷者となると、この髪切りも人真似とばかり云っていられねえ。その旦那は何者だか、突き留める工夫はねえか」
「そりゃあ訳はありません。おふくろや女中にカマを掛けて訊いても判ります。その旦那は近所の小岩という駕籠屋から乗って帰ることもあるそうですから、駕籠屋に訊いても、屋敷の見当は大抵付くというものです。すぐに調べて来ましょう」
「その旦那が歩兵隊に係り合いのある人間なら、この一件が又おもしろくなって来るからな」と、半七はまったく面白そうに云った。
幸次郎が出て行ったあとで、半七は又しばらく眼を瞑じて考えていた。この一件について、自分は最初から一つの推測を持っているのであるが、それが適中するかどうか。代地の髪切り事件も、解釈のしようによっては、いよいよ自信を強める材料とならないでも無い。半七は少なからざる興味をもって、子分らの報告を待っていた。
この春はめずらしく火事沙汰が少なかったが、夕方から大南風が吹き出して、陽気も俄かに暖くなった。歩兵屯所の八重桜も定めてさんざんに吹き散らされるであろうと、半七は想像した。