Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
彼は半七の相手になるのを避けるようにわざとらしく欠伸をして、眼をこすりながら歩き出そうとすると、ふところから重い財布がずしりと地に落ちた。彼はあわてて拾おうとすると、半七はその手をおさえた。
「おい、待ってくれ。落とし物はよっぽど重そうだな。おれに見せてくれ」
「見せてくれ……」と、男は眼をひからせて半七を睨んだ。「ひとの懐中物をあらためてどうするのだ。おめえは巾着切りか、追剥ぎか」
「追剥ぎはそっちかも知れねえ」と、半七は笑った。「まあ、見せろよ」
「てめえたちに見せるいわれはねえ」と、男は半七の手を振り切って、財布を自分のふところへ捻じ込んだ。
「ぬすびとの昼寝ということもある。そんなに重そうな財布をかかえながら、往来に寝込んでいるから調べるのだ。おれが調べるのじゃあねえ。この十手が調べるのだ」
半七はふところから十手を出した。
五
その翌日、半七は歩兵屯所へ出頭して、小隊長の根井善七郎に面会を求めた。
「あなたは二十四日の晩、浅草代地河岸のお園という女の家へ押込みがはいったのを御存知でしょうか」
「知らない」と、根井は答えた。「そのお園という女は何者だ」