Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
て引き揚げてしまったのが、今更おもえば不覚であった。その不覚のために、この事件の一半を不得要領に終らせることになった。
六
「なんでも油断をしちゃあいけません。亀吉がうっかり油断した為に、折角の探索をめちゃめちゃにしてしまって、当人も後々まで悔んでいましたよ」と、半七老人は云った。
「二人のゆくえはとうとう知れないんですか」と、わたしは訊いた。
「知れません。幸次郎をやって、鮎川の故郷の大宮在を探索させましたが、そこへも立ち廻った形跡がありません。勿論、江戸市中や近在には姿をみせず、そのうちに御一新の大騒ぎですから、そんな詮議をしてもいられません。明治になったのは二人の仕合わせで、どこにか天下晴れて暮らしているでしょう。世の中が変ると、思いも寄らない得をするものも出来ます」
「増田の方は捉まったんですな」
「これは前に申した通りで、髪切りは全く鮎川と自分の仕業に相違ないと白状しました。代地河岸のお園の家へ押込んだのも、二人の仕業でした。ところが、これも困ったことには吟味中に押込み所を破って逃げてしまいました。歩兵隊も重々不取締りで致し方がありません」