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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(五)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme

Aozora Bunko

奉納の生人形や細工物もいろいろありましたが、その中でも漆喰細工の牛や兎の作り物が評判になって、女子供は争って見物に行きました。

日は忘れましたが、なんでも二月の初めです。神田明神下の菊園という葉茶屋の家族が湯島へ参詣に出かけました。この葉茶屋は諸大名の屋敷へもお出入りをしている大きい店で、菊ゾノと読むのが本当だなどと云う人もありましたが、普通には菊エンと呼んでいました。店の者も菊エンと云っていたようです。葉茶屋ですからエンという方が本当かも知れません。その菊園の嫁のお雛、ひとり息子の玉太郎、乳母のお福、この三人のほかに隣りのあずま屋という菓子屋の女房と娘、あずま屋の親類の娘、あわせて六人連れで、近所のことですから午過ぎから出かけると、前にも云う通りの評判で、湯島の近辺は押し返されないような混雑、そのなかを潜って社前に参詣して、例の作り物などをひと通り見物している間に、息子の玉太郎のすがたが見えなくなったので、みんなも騒ぎ出しました。

お雛は十八の年に菊園の嫁に来て、二十歳の暮に玉太郎を生みましたが、乳の出がどうもよくないので、お福という乳母を置いて育てて来て、玉太郎はことし七つになっていました。