Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme
ましてさつきのおふくろや娘は、ひどくそれを気にかけて、万一かの金蔵が仕返しにでも来たら大変だと心配している。そのうちに伝馬町の牢破り一件が起こって、その六人のなかに本石町無宿の金蔵もまじっていると云うのを聞いて、甚五郎もひやりとしました。牢をぬけて何処へ行ったか知らないが、なんどき仕返しに来ないとも限らない。それを思うと、いよいよ忌な心持になりました。
こっちは役目で罪人を召捕るのですから、それを一々恨まれてはたまらない。罪人の方でもそれを承知していますから、こっちが特別に無理な事でもしない限り、どんな悪党でも捕り手を怨むということはありません。したがって、捕り手に対して仕返しをするなどという例は滅多にない。それは三甚も承知している筈ですが、気の弱い男だけに、なんだか寝ざめが好くない。しかし仮りにも二代目の三甚と名乗っている以上、子分の手前に対しても弱い顔は出来ませんから、自分ひとりの肚のなかでひやひやしている。こうなると、まったく困ったものです。勿論、この甚五郎がしっかりしていて、もう一度その金蔵を召捕りさえすれば何のこともないのですが、そうは行かないので此のお話が始まるのです。