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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(六)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

見ると、風呂場の竹窓のあいだから一匹の大きい蛇が這い降りようとしている。猫の首はその蛇の喉に啖い付いたので、蛇も堪まらずどさりと落ちる。その頃の吉原は今と違って、周囲に田圃や草原が多いので、そんな大きな蛇が何処からか這い込んで来たとみえます。猫はそれを知って主人を守ろうとしたのかと、人々も初めて覚ったがもう遅い。薄雲は勿論、ほかの人々も猫の忠義をあわれんで、その死骸を近所の寺へ送って厚く弔ってやりました。

その時に例の碁盤も一緒に添えて、その寺へ納めたのだそうですが、それから百年ほど経って、明和五年四月六日の大火で、よし原廓内は全焼、その近所もだいぶ焼けました。猫を葬った寺もその火事で焼けて、それっきり再建しないので、寺の名はよく判りません。しかし、どうして持ち出されたのか、その碁盤だけは無事に残っていて、それからそれへと好事家の手に渡ったのちに、深川六間堀の柘榴伊勢屋という質屋の庫に納まっていました。この伊勢屋は旧い店で、暖簾に柘榴を染め出してあるので、普通に柘榴伊勢屋。これにも由来があるのですが、あまり長くなりますから略すことにして、ともかくもこの伊勢屋では先代の頃から薄雲の碁盤というのを持っていました。