Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme
灯を消しますと触れて廻る声がきこえたかと思うと、内も外も一度に灯を消して真っ暗になってしまいました。
それ、お通りだというので、我れも我れもと店さきへ手探りながら駈け出しましたが、なんにも見えません。暗いなかでお神輿の金物がからりからりと鳴る音と、それを担いで行く白丁の足音がしとしとと聞こえるばかり。お神輿は上の町のお旅所へ送られて、暗闇のなかで配膳の式があるのだそうで……。そのあいだは内も外も真っ暗でございます。夜なかの八ツ(午前二時)頃に式を終りますと、一度にぱっと灯をつけて、町じゅうは急に明るくなりました。くどくど申す通り、それまでは真の闇で、どこに誰がいるか、さっぱり判りませんでしたが、さて明るくなって見ると、おかみさんの姿が見付かりません。若旦那も孫太郎も、わたくしも心配して、混雑のなかを抜けつ潜りつ、そこらを頻りに探して歩きましたが、どうしても姿が見えません。
なにしろ夜なかではあり、大変な混雑ですから、どうすることも出来ません。夜が明けたら何処からか出て来るだろうと、三人は一睡も致さずに、夜の白らむのを待って居りましたが、おかみさんの姿はどうしても見えません。