Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme
さてこのお祭りには初めて参ったのでございますが、噂に聞いたよりも大層な繁昌で、土地馴れない者はまごつく位、それでもどうやら釜屋という宿屋に泊めて貰うことになりましたが、その宿屋がまた大変な混雑で、これでは困ると思ったのですが、どこの宿屋も今夜はみんなこの通りだと聞かされて、まあ我慢することになりました」
「わたしもこの三月、府中に泊まりましたが、ふだんの時だから至ってひっそりしていました」と、半七は笑った。「しかしお祭りの時は大変だと、女中たちも云っていましたよ」
「まったく案外でございました」と、治兵衛は溜め息をついた。「それほど大きくもない宿屋に百何十人という泊まりですから、一つの部屋に十五人も二十人も押し込まれて、坐る所もないような始末。お夜食の膳もめいめいが台所へ行って、自分が貰って来なければならない。まるで火事場のような騒ぎでございます。こんな事と知ったら来るのじゃあなかったと、おかみさんも後悔していましたが、今さら帰るにも帰られず、まあ小さくなって辛抱して居りますと、やがて四ツ(午後十時)過ぎでもございましょうか、唯今お神輿のお通りでございます。