Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme
彼女は、去年の暮ごろに江戸へ帰って、十余年ぶりで高源寺をたずねて来たが、物堅い定吉は寄せ付けないで、すぐに門端から逐い出そうとすると、お歌は門前の地蔵を指さした。わたしの口一つで、多年御恩になったお住持さまは勿論、お前にも迷惑がかからないとは云えまいと、彼女は笑った。それを聞いて、定吉はぎょっとした。
どうしてお歌が地蔵の秘密を知っているのかと、定吉は驚きかつ恐れて、だんだんその仔細を詮議すると、お歌はこの頃かの松蔵と心安くしていると云うのであった。定吉はいよいよ驚いたが、こうなっては強いことも云えない。よんどころなくお歌を呼び入れて、その望みのままに俊乗に引き合わせると、彼もまた驚いた。迷惑ながら幾らかの口留め料をやって、無事に彼女を追い返そうとすると、お歌は案外に金は要らないと言った。お寺の迷惑にもなり、親たちの迷惑にもなることであるから自分は決して口外しない。その代りに、時々のお出入りを許してくれと云った。
おとなしいような云い分ではあるが、こんな女にしばしば出入りされては困るので、祥慶は直きじきにお歌に面会して、寺へたずねて来るのは月に一度、それも近所の人に目立たないように、なるべく夜分に忍び込んで来てくれということに相談を決めた。