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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(四)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme

Aozora Bunko

また出直して来るのかと、喜平はいつまでも待っていたが、勝次郎は夜のふけるまで姿をみせなかった。材木の倒れて来たのにおびやかされたか、または他の大工に意見されたか、それらのことで彼は俄かに変心したらしく思われた。あいつもやっぱり弱い奴だと、喜平はひそかに舌打ちしたが、さりとて自分もひとりで踏み出すほどの勇気はないので、その晩は残念ながらおとなしく寝てしまった。

あくる日、仕事場で勝次郎に逢うと、かれは喜平にむかって頻りに違約の云い訳をしていた。家へ帰って夕飯を食って、それから出直して来ようと思っていると、あいにく相長屋に急病人が出来たので、その方にかかり合っていて、いつか夜が明けてしまったと、彼はきまり悪そうに説明していたが、喜平はそれを信用しなかった。

「そこで、お前は今夜も行くのかえ」と、勝次郎は訊いた。

「いや、もう止そうよ。また丸太が倒れて来ると怖いからな」と、喜平は皮肉らしく云った。

勝次郎は黙っていた。

喜平はもう彼を見かぎっていた。一時の付け元気で一緒に行こうなどと云ったものの、かれは確かに中途で変心したに相違ない。そんな弱虫はこっちでも頼まないと、喜平は腹の底でかれの臆病をあざけり笑っていた。