Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme
野郎め、女房にひどい意趣返しをされたな」
「意趣返しだろうか」
「意趣返しよ」と、半七は笑った。「亭主の悪事が露顕するように、女房は金の蝋燭を抱いて身を投げたのだ」
「そんならむしろ訴えて出ればいいのに……」
「それにゃあ訳があるのだろう。訴えて出れば自分もお仕置にならなけりゃあならねえ。自分はひと思いに死んでしまって、あとに残った亭主を磔刑か獄門にでもしてやろうという料簡だろう。女に怨まれちゃあ助からねえ。おめえも用心しろよ」
「はは、わっしは大丈夫だ」
二人は両国を出て浅草の方角にむかった。
「都合によっちゃあ、それからそれへと追っ掛けにならねえとも限らねえ」と、半七は云った。
「刻限はちっと早えが、腹をこしらえて置こう」
茶屋町辺の小料理屋で午飯を済ませて、二人は馬道から田町一丁目にさしかかった。表通りは吉原の日本堤につづく一と筋道で、町屋も相当に整っているが、裏通りは家並もまばらになって、袖摺稲荷のあるあたりは二、三の旗本屋敷を除くのほか、うしろは一面の田地になっているので、昼でも蛙の声が乱れてきこえた。稲荷の近所というのを心当てに、二人は探しあるいていると、往来で酒屋の小僧に出逢った。