Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme
あの女があの鶏をひどい目に逢わせて、それを鳥屋へ売り飛ばしたのが、測らずここでめぐり合って、鶏がむかしの恨みを返したというような事ででもあれば、飛んだ猿蟹合戦か舌切り雀で、どうにも仕様のねえことだが、何かもう少し入り組んだ仔細がありそうにも思われる。まあ、無駄と思って洗ってみようぜ」
「承知しました」
「それから、あの女房は鶏を絞めると云っていたが、もしまだ無事でいるようだったら、もう少し助けて置くように云ってくれ」
この頃の春の日はまだ短いので、二人は暗くなってから江戸へはいった。途中で庄太に別れて、半七は三河町の家へ帰ると、すぐに手拭をさげて出た。
「信心まいりに行って、愚痴を云っちゃあ済まねえが、きょうは全く寒かった」
近所の銭湯へゆくと、五ツ(午後八時)過ぎの夜の湯は混雑していた。半七は柘榴口へはいって体を湿していると、湯気にとざされていた風呂のなかで、男同士の話し声がきこえた。
その一人もきょうの初大師に参詣したと見えて、寒さと雪どけ道の難儀を頻りに話していたが、やがて彼はこんなことを云い出した。
「おまえさんも御承知でしょう、軍鶏屋の鳥亀のかみさん……。