Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme
「その晩に着ていた物だね」
「そうでございまいます。四入り青梅の片袖で、潮水にぬれては居りますが、色合いも縞柄も確かに相違ございません。おかみさんもそれに相違ないと申しまして、品川の人には相当の礼を致して、その片袖をこちらへ受け取りました」
「その礼は幾らやりましたね」
「このことは内分にしてくれと申しまして、金十両をつつんで差し出しますと、その人は辞退して容易に受け取りません。それではこちらの気も済まず、仏の心にも背くわけですから、無理に頼んで持たせて帰しました」
徳次と半七は肚の中で舌打ちしながら聴いていると、勘兵衛は更に話しつづけた。
「そうしてみると、若いおかみさんはいよいよ遠い海へ流れて行ったに相違ないのでございます。おかみさんの申しますには、わが子を殺した憎い嫁だと一旦は思ったが、乱心であれば仕方がない。こうして形見の片袖をとどけてよこすからは、やっぱりここを自分の家と思って、わたし達の回向を受けたいのであろうから、お寺へ納めてやるが好かろうというので、きのうすぐに菩提寺へ持ってまいりました」
「そりゃあ飛んだ怪談だね」と、徳次はあざ笑うように云った。