Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme
亀吉は承知して帰ったが、それから十日ほど後に、かの孤芳は太宗寺のそばを立ち退いてしまったと報告した。女絵師は突然に世帯をたたんで、夜逃げ同様に姿をかくしたので、近所でもその引っ越し先を知らないと云うのであった。
それから更に十日ほどの後に、亀吉は新らしい報告を持って来た。大津屋の娘お絹が家出してゆくえ不明になったが、万次郎と一緒に駈け落ちなどをした様子はない。万次郎は相変らず四谷坂町の実家に住んでいる。大津屋では娘の家出を秘密にして、病気保養のために房州の親類に預けたとか云っているが、それが突然の家出であることは近所でもみな知っているというのである。女絵師の夜逃げ、娘の家出、そのあいだに何かの糸が繋がっているらしいのは、何人にも容易に想像されることで、半七もそれに就いていろいろの判断を試みたが、確かにこうという断定をくだし得ないうちに、四月もいつか過ぎてしまった。
五
「あの時は実におどろきましたよ。胆を冷やしたというのは、全くこの事です」
半七老人はその当時の光景を思い泛かべたように、大きい溜め息をついた。それに釣り込まれて、わたしも思わず身を固くした。