Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme
「何事がおこったんです」
「まあ、お聴きください。毎度お話をする通り、嘉永六年の黒船渡来から、世の中はだんだんに騒がしくなって、幕府でも海防ということに注意する。なんどき外国と戦争を始めるかも知れないというので、江戸近在の目黒、淀橋、板橋、そのほか数カ所に火薬製造所をこしらえて、盛んに大筒小筒の鉄砲玉を製造したんです。それには水車が要るということで、大抵は大きい水車のある所を択んだようですが、今から考えれば火薬の取り扱い方に馴れていなかったんでしょう、それが時々に爆発して大騒ぎをする事がありました」
「あなたもその爆発に出逢ったんですか」
「そうですよ。わたくしの出逢ったのは淀橋でした。御承知の通り、ここは青梅街道の入口で、新宿の追分から角筈、柏木、成子、淀橋という道順になるんですが、昔もなかなか賑やかな土地で、近在の江戸と云われた位でした。淀橋は長さ十間ほどの橋で、橋のそばに大きい穀物問屋がありまして、主人は代々久兵衛と名乗っていたそうですが、その久兵衛の店に精米用の大きい水車が仕掛けてありました。この水車を山城の淀川の水車にたとえて、淀橋という名が出来たのだという説もありますが、嘘か本当か存じません。