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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(四)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme

Aozora Bunko

時には靴を磨くブラッシに靴墨を塗って置いて、暗やみで摺れ違いながら人の顔を撫でたりしたそうです。いつの代もそうですが、そんな噂が拡がると、いろいろに尾鰭を添えて云い触らす者が出て来るので、狐の怪談が大問題になってしまったんですが、お此がほんとうに悪戯をしたのは七、八回に過ぎないと自分では云っていました」

わたしも狐に化かされたような心持で聴いていた。

六

それにしても、私にはまだ判らないことがあった。

「小伊勢という料理屋の息子が出逢ったのは、ほんとうのお糸ですか。それとも例の狐ですか」と、私は顔を撫でながら訊いた。

「はは、眉毛を湿らすほどの事はありません。それは狐でも何でもない、本当のお糸なんですよ」と、老人は又笑った。「しかし、それが不思議と云えば不思議でないことも無い。むかしは不思議のように云われたんですが、こんにちで云えば何かの精神作用でしょう。四月二十八日の宵に、お糸が坂井屋の店さきに立っていると、どこからか自分の名を呼ぶ者がある。それが彼のジョージの声らしく聞えたので、呼ばれるままにふらふら歩き出して、半分は夢のように鈴ヶ森まで行ってしまったんだそうです。