Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あんこくせい
暗黒星
江戸川 乱歩
Lesen Sie 暗黒星 (あんこくせい) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 94.000 Zeichen · 188 Bildschirme
今はそれよりも、もっと急を要することがあるのです」
「エッ、急を要するとは?」
「ちょっと、その懐中電燈をお貸しください」
明智は三島刑事のさし出す電燈を受け取ると、それを振り照らしながら、穴蔵の奥へ進んで行った。
「ごらんなさい、あれを」
懐中電燈の光がコンクリートの壁を照らしていた。そこに十字架上のキリストのように、磔刑になっている人の姿があった。
シャツ一枚のはだかにむかれて、大の字にひらいた両の手首と足首を、石壁にとりつけた太い鎖に縛られて、グッタリと頭を垂れている人の姿があった。
明智はそこへ駈けよって、電燈の光で調べていたが、
「大丈夫、まだ死んではいません」
と安堵の声を漏らした。
「いったいそれは誰です」
「ごらんなさい。この家の主人です」
下からの光で、うなだれた顔を見ると、意外にもそれは伊志田鉄造氏であった。苦痛の余りほとんど失神状態となっていたが、人々の声と、まぶしい光に眼を見ひらいて、なぜか烈しい恐怖の表情を示した。口には猿ぐつわをはめられていて、物をいうこともできないのだ。
伊志田氏の磔刑になっていたのは、足先が地上から三尺も離れているほど高い場所なので、何か台がなければ助けおろすこともできなかったが、幸い、すぐそばにキャタツがほうり出してあるのを見つけたので、三人はそれを立てて、いろいろ