Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きょくていばきん

曲亭馬琴

邦枝 完二

Lesen Sie 曲亭馬琴 (きょくていばきん) von 邦枝 完二 (くにえだかんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.788 Zeichen · 24 Bildschirme

Aozora Bunko

京伝は、自分より七つ下の、やりて婆のようにひねくれた京山を、温かい眼で見上げた。

「あっしゃア縁側にいやしたのさ」

「じゃア今の、馬琴という男を見ただろう」

「見たどころじゃござんせん。あいつのせりふも実アみんな聞きやしたよ」

「ほう、そうか。しかしおれもこれまで、弟子にしてくれといって来た男にゃ、勘定の出来ねえくらい会ったが、今の馬琴のような一徹な男にゃ、まだ会ったことがなかった。書いた物を見た訳じゃねえから、どうともはっきりゃアいえねえが、ありゃアおめえ、うまく壺にはまったら、いゝ作者になるだろうぜ」

「ふん、馬鹿らしい」

京山はてんから、鼻の先で消し飛した。

「何が馬鹿らしいんだ」

「だってそうじゃげえせんか。あんな鰯の干物のような奴が、どう足掻いたって、洒落本はおろか、初午の茶番狂言ひとつ、書ける訳はありますまい。――あっしにゃ、あんな男につまらね愛想を云われて、喜んでる兄さんの気組が、いくら考えても判らねえから、そいつを聞かせて貰いにめえりやしたのさ」

「慶三郎」

京伝はたしなめるように、弟を見守った。

「ふん」

上戸の京山は、大方縁側でゆうべの残りを、二三本空けていたのであろう。