Japanische Klassiker mit Furigana
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つきのせかいたんけんき
月世界探険記
海野 十三
Lesen Sie 月世界探険記 (つきのせかいたんけんき) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.351 Zeichen · 29 Bildschirme
ミドリ嬢の計算によると、彼女の新望遠鏡は、ウイルソン山天文台のものよりも二十倍も大きく見える筈だった。だから月世界に、乗合バスぐらいの大きさのものがあったとしたら、それは新望遠鏡には丁度一つの微小な点となって見えるだろうという……。
「ミドリさんに早く知らせてやろうと思うが、何処へ行ったんだろうな。……」
と、蜂谷学士はロケットの胴中を出て、土間に下り立った。
「ミドリさーん。……」
学士は大きな声をだして、女理学士の名を呼んだ。だがどこにも返事がなかった。彼の顔は俄かに不安に曇った。
「どこへ行ったんだろう。オイ進君、君も探してくれ。
……ミドリさーん。……」
「えッ、ミドリさんがいないのですか」
進少年もロケットの胴中から飛び出して来た。
「ミドリさーん」
二人は声を合わせてミドリの名を呼びながら、小屋の戸を開いて外へ出てみた。外は真昼のように明るかった。八月十五日の名月が、いま中天に皎々たる光を放って輝いているのだった。……
「おお、ミドリさん。……こんなところにいたんですか。一体どうしたというんです」
学士は、戸外に悄然と立っているミドリの姿を見て、愕きの声を放った。