Japanische Klassiker mit Furigana
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こがらしのさかぐらから
木枯の酒倉から
Lesen Sie 木枯の酒倉から (こがらしのさかぐらから) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.163 Zeichen · 22 Bildschirme
な裸体でねそべっているのを見出していた――娘はひどく自由な、物なれた物腰でゆるやかに立ちあがると、すぐ自分の横にそびえたつ魁偉なる尻の塔を眺めていたが(べつにおかしくはないとみえて、俺のようにゲタゲタと笑いくずれやしないのだ)、やがて、ひどく懐かしい表情をすると、恋人を抱くように行者の頸に手をやって、蛇のような腕をするするとまわした……
ああ! 酒は憎むべき灰色だ! 呪うべき酒の毒よ!
と、俺は怒り心頭に発して跳ね起きると(起きあがる急速なる一瞬間に、娘の腕のふうわりとした中で行者のニタニタがなおニタニタと深く笑うのを眺めたのだが――)、ああ! 呪うべき酒よ! 呪うべき幻術よ! と俺は狂気の如く行者の丸顔(そのときも股のとなりにあった)にとびかかると娘の腕を跳ねのけて太くたくましいその頸筋をむんずと掴んでぐいぐいと絞めつけたのだ――恐らくその瞬間には娘も蛇も蛇使いも消えて其処には居なかったのであろうが――けれども行者は、なおも娘に頸をまかれているかのように快くニタニタと脂の玉を浮べるのだ。
――わあっ! 余は断じて酒を止めたぞよ! 余は断乎として……わあっ!