Japanische Klassiker mit Furigana
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こがらしのさかぐらから
木枯の酒倉から
Lesen Sie 木枯の酒倉から (こがらしのさかぐらから) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.163 Zeichen · 22 Bildschirme
蒼白なる狂人の独白
――そうです、何か御心当りがありますかしら。
と、僕はもうひどくこの周章て者に好意を感じ出していたのですが、物のはずみで拾いあげた大根をなで廻しながらこんな風にきいたのです。するとこの男は僕の言うことが呑み込めないのでしょうか(えて哲人は食物を食べるその理窟さえ分らないものだと言いますから)怪訝な顔をして、
――無いこともないが、かりにあったとして、君はそれをどうする心算なんだ。
というのです。
――無論僕が住むんですがね。
――う、ぶるぶる、止した方がよろしいよ。
――何故ですか?
――う、ぶるぶるじゃよ。
と彼は一きわ顔色を蒼く鋭くするのです。しかし彼は見かけによらぬ親切な男で、改めて僕を自分の宿(さっき雨戸を蹴倒して出てきたところです)へ案内すると、どうしても君はこの寒い村に居を構えるつもりであるかと尋ね、頑としてそうであると答えると、「尊公も亦呪われたる灰色じゃよ」と目を伏せながら、次のような笑うべき物語を語ってきかせたのです。木枯が窓を叩くたびに、う、ぶるぶると震えながら――
蒼白なる狂人の独白
俺の行く道はいつも茨だ。――茨だけれど愉快なんだ。