Japanische Klassiker mit Furigana
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こがらしのさかぐらから
木枯の酒倉から
Lesen Sie 木枯の酒倉から (こがらしのさかぐらから) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.163 Zeichen · 22 Bildschirme
物があるのもみんなこのペンペン草なんだ。俺はううんと呻えたまま天高く両腕をつきあげて進退ここに谷まったという印をしてしまうのだ。すると真夏の太陽がカアンというあの変テコな沈黙でいやというほど俺の頭を叩きのめすものだから、俺は危く目をまわそうとするのじゃよ。おお光よ、おお緑よ、おおペンペン草よ、怖るべき力よ、俺の若き生命よ。余は緑なすペンペン草の如く太陽のあるところへ一目散に駈けてゆかねばならぬ。ああ酒は憎むべき灰色じゃよ、と俺は思うのだ。
――酒は頑としてサヨナラじゃよ。
と、そこで俺は憤然として酒倉を脱走するのだ。「ああ太陽よ」とか「おお生命よ」とか、まあそういったことを喚きながら、俺は何分あまりにも興奮して酒倉を走り出るものだから、つい亦ペンペン草に足をとられて大概は四ん這いになり畢り、酒は実に灰色じゃよ、俺は頑としてそれを好まんよなどと叫びながら這い出してゆくのだった。
すると酒倉の亭主は――先刻御承知の瑜伽行者だが――ペンペン草の間から垣間見える俺の尻を見送りながら、「木枯が吹いたら又おいでよ」と、ニタニタと笑うのだ、「木枯が吹いたら又おいでよ」