Japanische Klassiker mit Furigana
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とうきょうロマンティックれんあいき
東京ロマンティック恋愛記
吉行 エイスケ
Lesen Sie 東京ロマンティック恋愛記 (とうきょうロマンティックれんあいき) von 吉行 エイスケ (よしゆきえいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.002 Zeichen · 6 Bildschirme
都会と郊外の境界線にある中流のホテル、時刻は東京駅を十時五十五分の神戸行急行列車の発車すこしまえの混雑時だった。
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前夜のこと、………更けるとすこしばかし溝をつたうクレオソートの臭いが鼻に滲みたが、築地河岸附近にあるダンシング・ホールで僕はその夜、踊っていた。
シャンデリヤにネオンサインが螺旋に巻きついた、水灯のような新衣裳のもとで、ロープモンタントをつけた女と華奢な男とが、スポットライトの色彩に、心と心を濡らして跳舞するのだ。そして、ジャズの音が激しく、光芒のなかで、歔欷くように、或は、猥雑な顫律を漾わせて、色欲のテープを、女郎ぐものように吐き出した。
そして、縹緻よしの踊子は、たえまなく富裕な旋律のなかにいた。
ふと、僕は気がつくのであった。この湿気のある踊場風景のなかに、赤色ジョウゼットの夜会服をつつんだ、栗鼠の豪奢な毛皮の外套をつけたアトラクティブな夜の女の華車な姿が、化粧鏡を恋愛の媾曳のための、こころの置場として、僕に微笑みかけているのだ。
たった、ひとりで踊場にあらわれるレデーの香入りの天蓋の下で、僕は曲線のあるウィンクを感じながら、女性の罠と、慇懃な精神のむなさわぎを衝ける。