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Japanische Klassiker mit Furigana

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とうきょうじんのだらくじだい

東京人の堕落時代

杉山 萠円

Lesen Sie 東京人の堕落時代 (とうきょうじんのだらくじだい) von 杉山 萠円 (すぎやまほうえん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 123.226 Zeichen · 247 Bildschirme

Aozora Bunko

二匹の白い蛾

最も甚だしいのは、昨年の秋の事、二三十人申し合わせたらしく、性教育の必要を高唱した投書が、しかも堂々と署名して箱一パイに投げ込まれた……という事も今初めて書く。

「あたし、電車の中で不良少年から手を握られたのよ。癪に障ったからギュッと握り返してやったわ」と友達に自慢話をするような少女、「あなた、この頃メランコリーね。ホルモンが欠乏したの」と笑いくずれる程度の女学生なぞはザラに居る。

これ位積極化すれば沢山である。

二匹の白い蛾

東京の若い女の享楽気分は、日に増し眼に余って行く。そうして、「性の悩み」に魘される少女を、次第に東京に殖やして行く。

或る女学生が、不良行為をやって警察に引っぱられて行く途中で、懐中からマッチ箱を出してソッと棄てた。刑事が気付いて拾って見ると、中には一枚の厚紙があって、雌雄二匹の白い蛾が、生きながら二本のピンで止められて、ブルブルふるえていた……。

記者はこの話をきいた時、馬鹿馬鹿しいと笑う気になれなかった。その少女がそんな事をした時の気持ちをよく考えているうちに、恐ろしいような、悲しいような、一種形容し難い鬼気に襲われた。

孕み女の腹を裂かせてニッコリと笑った支那の古王妃の気持ち――それを近代式にデリケートにした気持ちを味わいつつ、その女学生は二匹の白い蛾を生きながらピンで突き刺し