Japanische Klassiker mit Furigana
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とうかいどうごじゅうさんつぎ
東海道五十三次
岡本 かの子
Lesen Sie 東海道五十三次 (とうかいどうごじゅうさんつぎ) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.849 Zeichen · 28 Bildschirme
急いで豊橋へ出てみるぐらいなものである。
私はまた、子供たちも出来てしまってからは、それどころの話でなく、標本の写生も、別に女子美術出の人を雇って貰って、私はすっかり主婦の役に髪を振り乱してしまった。ただ私が今も残念に思っていることは、絵は写すことばかりして、自分の思ったことが描けなかったことである。子供の中の一人で音楽好きの男の子があるのを幸いに、これを作曲家に仕立てて、優劣は別としても兎に角、自分の胸から出るものを思うまま表現できる人間を一人作り度いと骨折っているのである。
さてそんなことで、主人も私も東海道のことはすっかり忘れ果て、二人ともめいめいの用向きに没頭して、名古屋での仕事もほぼ片付いた晩に私たちはホテルの部屋で番茶を取り寄せながら雑談していた。するとふと主人は、こんなことを言い出した。
「どうだ、二人で旅へ出ることも滅多にない。一日帰りを延して久し振りにどっか近くの東海道でも歩いてみようじゃないか」
私は、はじめ何をこの忙しい中に主人が言うのかと問題にしないつもりでいたが、考えてみると、もうこの先、いつの日に、いつまた来られる旅かと思うと、主人の言葉に動かされて来た。