Japanische Klassiker mit Furigana
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とうかいどうごじゅうさんつぎ
東海道五十三次
岡本 かの子
Lesen Sie 東海道五十三次 (とうかいどうごじゅうさんつぎ) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.849 Zeichen · 28 Bildschirme
「じゃ、千手もまだ重衡の薄倖な運命に同情できるみずみずしい情緒のある年頃だったというわけね」
「それにね、当時の鎌倉というものは新興都市には違いないが、何といっても田舎で文化に就ては何かと京都をあこがれている。三代の実朝時代になってもまだそんなふうだったから、この時代の鎌倉の千手の前が都会風の洗練された若い公達に会って参ったのだろうし、多少はそういう公達を恋の目標にすることに自分自身誇りを感じたのじゃないでしょうか」
私はもう一度、何となく手越の里を振返った。
私と主人はこういう情愛に関係する話はお互いの間は勿論、現代の出来事を話題としても決して話したことはない。そういうことに触れるのは私たちのような好古家の古典的な家庭の空気を吸って来たものに取っては、生々しくて、或る程度の嫌味にさえ感じた。ただ歴史の事柄を通しては、こういう風にたまには語り合うことはあった。それが二人の間に幾らか温かい親しみを感じさせた。
如何にも街道という感じのする古木の松並木が続く。それが尽きるとぱっと明るくなって、丸い丘が幾つも在る間の開けた田畑の中の道を俥は速力を出した。