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Japanische Klassiker mit Furigana

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そめきちのしゅぼん

染吉の朱盆

国枝 史郎

Lesen Sie 染吉の朱盆 (そめきちのしゅぼん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.824 Zeichen · 35 Bildschirme

Aozora Bunko

どうしたものか、それを見ると「うむ!」と岡八唸るようにいった。で女の横顔を見た。何んて微妙な微笑なんだろう? 皮肉で残忍で嘲笑的で、そうして、しかも満足したような、そういったような薄笑いが、女の顔にあるではないか? 眼は死絵を見詰ている。

「やっと前途が明るくなった。俺の見込みは狂わなかった」

岡八呟いたものである。「よし、こうなりゃァこの女の住居。どんなことをしても突き止めなけりゃァならねえ」

その時女が歩き出した。

足早に歩いて行くところを見ると、いよいよ家へ帰るらしい。

上野山下まで来た時には、すでに宵を過ごしていた。足に自信があると見え、女は駕籠へ乗ろうとさえしない。

六

「大金を持っているだろうに、こんな夜道を女一人で、この押詰った師走空を、恐れ気もなく歩くとは、とても度胸は太いものだ。いよいよ並の阿魔ッ子じゃァねえな」

ますます不審が強まって来た。

車坂の方へ歩いて行く。で岡八も、つけて行く。

養善寺のそばから道が別れる。左へ行けば鶯谷、右へ行けば阪本である。

何んと女は昼も物凄い鶯谷の方へ行くではないか、

「こいつはどうも大胆だなあ。